目次
第一章:マーケティング・マネジメント
マーケティングとは
マーケティングとは人間や社会のニーズを見極めてそれに応えることです。
マーケティングにおいて最も重要な部分は「売り込むこと」ではなく、むしろ「売り込むを不要にすること」です。つまり、マーケティングの成果は”買う気になった人”であり、そうなれば、あとは製品やサービスを用意するだけになります。
マーケティング・マネジメント
マーケティングによって顧客との関係を創造・維持の管理をマーケティング・マネジメントと呼びます。マーケティング・マネジメントの基本的な考え方は以下の2つに要約できます。
①マーケティング・マネジメントの狙いは、事業を発展させていく上で不可欠となる顧客との関係性を創造し維持すること
②マーケティング・マネジメントの実践においては、マーケティング・ミックスを統合し、内的一貫性と外的一貫性を実現することが必要
※用語説明
・マーケティング・ミックス:顧客との関係の創造と維持にあたって企業が用いる手法や活動の総称
・マーケティングの4P:製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)
・内的一貫性:4Pを構成する各要素がパズルのピースのように整合性が取れている
・外的一貫性:企業を取り巻く環境と整合性が取れている
第二章:マーケティング環境の分析
企業を取り巻くマーケティング環境
マーケティングを正しく実行するためには企業を取り巻く「マーケティング環境」の理解が欠かせません。環境は、企業の外部である「外部環境」と企業の内部である「内部環境」に分けて考えることができます。外部環境とは企業が直接コントロールすることができない要因であり、内部環境とは企業が直接コントロールできる要因です。
また、マクロ環境を分析する手法としてPEST分析が活用されます。
※PEST分析:政治的環境(Politics)、経済的影響(Economics)、社会的・文化的影響(Society)、技術的影響(Technoligy)
市場細分化(セグメンテーション)
上記の通り、企業を取り巻く環境を広く分析した上で顧客に効率的にアプローチしていくためには、サービスに満足する可能性の高い顧客に照準を合わせるアプローチが必要です。
市場細分化(セグメンテーション)は、顧客のニーズをグループにまとめて、そのグループごとに企業のマーケティングを適用するという考え方です。
ターゲティング・ポジショニング
セグメンテーションをした後は、標的市場を設定しなければいけません。標的市場を設定することをターゲティングと言います。
ターゲットとなるセグメントが決定したら、次はポジショニングを考えます。ポジショニングとは、顧客の立場から自社や自社製品がどのように見えるかを操作する戦略です。
第三章:資源配分と製品ポートフォリオ管理
企業は市場シェアの獲得競争を行い、限られた資源を有効に活用しようと努力しています。
したがって、市場シェアや資源配分の考え方も業種を問わず、ビジネスパーソンにとって必須の知識となります。
製品ポートフォリオ管理(PPM)
製品間や事業間の最適な経営資源の配分を検討する方法として、製品ポートフォリオ管理(Product Protfollio Management、略してPPM)があります。
PPMの枠組みは縦軸に「市場の成長率」、横軸に「相対市場シェア」を使って、企業が抱えている事業を「金のなる木」「花形(スター)」「問題児」「負け犬」の4象限で評価します。
PPMを活用し、全社的な資源配分を行い、事業ごとの目標を明らかにすることができます。
第四章:マーケティング組織のデザイン
マーケティング活動の業務内容は、市場調査や広告、流通チャネルとの交渉、価格設定、新商品開発など多岐にわたります。こうしたマーケティングに関わる様々な業務を遂行する企業の組織をマーケティング組織と呼びます。
マーケティング組織の基本形態は大きく2つに分かれます。
①職能思考の組織:営業、広告、市場調査、製品開発といった、職能別(担当業務別)に分割して形成された組織のこと
②市場志向の組織:製品・サービス、販売地域、あるいは顧客といった市場との接点に注目してこれを基軸とした横断的な組織のこと
以上の組織形態を軸に、企業は事業別に適切なマーケティング組織の形成が必要となります。
アンゾフの成長マトリックス
新規事業戦略の分析の枠組みとして広く知られているのが「製品」と「市場」の2つを軸とした成長マトリックスです。
マトリックスの枠組みは縦軸に「既存市長と新市場」、横軸に「既存製品と新製品」を使って、企業が抱えている事業を「市場浸透」「市場開拓」「新製品開発」「多角化」の4象限で評価します。
上記マトリックスを用いて事業分析を行うことで、適切なマーケティング組織を判断することができます。
第五章:産業と競争の構造
「産業」について
マーケティング戦略において「産業」の枠組みは重要です。なぜなら、産業によって企業の投資収益率(投資に対して得られる利益の割合)の条件が異なるからです。極端に言えば、個々の企業の戦略立案能力を超えて、産業という単位で見たときに儲かる産業と儲からない産業があります。
産業の基本的な構成要素は{①競争者の数と規模の分布、②新規参入の容易さ、③差別化の程度}です。
上記要素を分析し、産業の現状を把握することで最適なマーケティング戦略を実施することができます。
競争について
企業間の競争は「構造としての競争」と「プロセスとしての競争」の2つ視点に分けることができる。
構造としての競争:参入障壁や移動障壁が機能することで産業における収益性を規定する競争
プロセスとしての競争:新たな知識や情報を生み出しながら、産業や戦略グループなどの枠組みの再構築を促す競争
第六章:消費者行動の分析
消費者行動とは
製品やサービスを購入し、それを消費し、処分する、といった生活を維持するために消費者が行うすべての行動を消費者行動という。
消費者行動の3つの分析アプローチ
消費者行動を分析するためには3つのアプローチ「ライフサイクル・アプローチ」「ライフスタイル・アプローチ」「ライフコース・アプローチ」があります。マーケターはこれらのアプローチを知ることで、市場細分化の軸となる選択肢の幅を広げることができます。
ライフサイクル・アプローチ:生物の一生の循環のことを指し、人間のライフサイクルは出生ー成長ー成熟ー老衰ー死亡といった規則的な推移を表す。
ライフスタイル・アプローチ:人々の生活の仕方、その人の価値意識を反映したのもであり、具体的にはそのお金や時間の使い方、選択する財やサービス、行動パターンとして捉えられる概念である。
ライフコース・アプローチ:「人生の道筋や軌跡」のことであり、「個人が一生の間にたどる人生行路」を指す。
消費者の意思決定プロセス
消費者が購買に至るまでのプロセスを購買意思決定プロセス(CDP)と言います。CDPは一般的に「問題認識→情報探索→代替案評価(選択肢評価)→選択・購買→購入後評価」という5つのプロセスによって消費行動を表すことができます。
最後に
ここまで読んできていかがでしたか?
マーケティングの知識は起業や新規ビジネス創出を目指している人はもちろんですが、会社の営業活動や就職活動にも役立つ知識です。
この記事では簡単に概要をお伝えしましたが、興味を持った方はたくさん本も出ていますので、ぜひ詳しく勉強してみてください!
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